はじめに:どの形態を選ぶべきか?戦略的判断の必要性
海外進出を検討する際、まず直面するのが「どの形態を選ぶべきか」という問題です。単なる登記上の違いだけでなく、税務、法務、そして将来的な撤退時のリスクまで見据えた戦略的な判断が不可欠です。
本レポートでは、貴社の現在の事業フェーズと目標に最適な形態を選択するための、詳細な比較分析を提供します。
1. 形態別定義と機能の比較
1-1. 現地法人(Subsidiary)
最も一般的な形態。現地において完全に独立した法人格を持ち、契約や事業活動を自由に行えます。
- 機能: 営業活動、製造、サービス提供、契約締結など、現地でのすべての経済活動が可能。
- リスク: 負債や法的責任は現地法人に帰属するため、本社への影響は限定的。
1-2. 支店(Branch Office)
本社の一部門として現地に設置。法人格は持たず、活動のすべてが本社の活動と見なされます。
- 機能: 現地での営業活動が可能ですが、本社との会計処理が複雑になる場合がある。
- リスク: 現地での法的責任や負債が本社に直接帰属するため、リスクが高い。
1-3. 駐在員事務所(Representative Office)
原則として、市場調査、情報収集、連絡業務のみが可能。営業活動や売上の発生はできません。
- 機能: 市場調査、本社との連絡、進出準備など、非営業活動に限定される。
- リスク: 費用計上の要件が厳しく、売上が発生すると現地当局から厳しく追及される可能性がある。
2. 【戦略的提言】貴社に最適な形態の選び方
提言1:リスクを限定し、本格参入を目指す場合
- 推奨形態: 現地法人
- 理由: 法人として独立しているため、現地事業で生じた負債や訴訟リスクが本社に及ぶのを防ぎます。長期的に売上を上げる本格参入に最適です。
提言2:現地市場の情報収集と最小限の準備の場合
- 推奨形態: 駐在員事務所
- 理由: 初期コストと設立手続きが最も簡便です。ただし、営業活動は一切行わないことを厳守する必要があります。
提言3:本社のブランドと信用力をフル活用し、一時的に活動する場合
- 推奨形態: 支店
- 理由: 本社名で活動できるため信用力が高まりますが、法的リスクも本社が負うことを許容する必要があります。
まとめ:進出の形態は「撤退」の難易度にも直結する
形態の選択は、単なる進出のステップではなく、事業を閉鎖する際の「撤退コスト」にも直結します。特に支店を選択した場合、本社が負うリスクは甚大です。最適な形態は貴社の目標とリスク許容度によって異なります。
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